腰痛は本当に大変だ。

腰痛に関する情報を色々と紹介させて頂いております。

寒い朝からギックリ腰になってしまった。

30代後半の会社員です。寒い日の朝からぎっくり腰になってしまった時は、人生で一番苦しい一日を過ごしました。
怪我も体調不良もなかったいつも通りの朝でしたが、歯ブラシを取ろうと20センチほど手を伸ばした瞬間に、とてつもない痛みが背中全体を襲いました。
痛みのせいなのか息はできず、声もあげられません。あまりに苦しいので膝をつこうとしましたが、体を動かそうとすると骨がまるで石にでもなったのか、ビキビキと硬い感触がして動かしにくく、それと同時にとてつもない痛みが背中から腰全体に広がりました。痛みのあまり、息を吸い込むことも吐くことも難しく、か細い呼吸をどうにか繰り返していました。
上半身の重みが強く感じられ、どうにか重さを分散したくて机に手をつきましたが、今度は重さが一点集中したようで更に背中と腰の痛みが増しました。
何かに支えられたいのに、支えようとすると痛みが増します。どこにも救いがないような気持ちで絶望的でした。
家族から「10分間くらいその体勢のまま動かなかった」と聞きましたが、体感では10分どころじゃないほど長く感じていました。
同じ体勢でいたことでやや痛みは落ち着き、どうにか歩けるようにはなったのですが、腰を真っ直ぐにすることが痛くてできません。歩こうにも、足を前に出すことが痛くてできないんです。今まで全く意識していませんでしたが、ただ歩くだけでも腰を動かしているのだということがわかりました。痛みがない動き方を探していると、横向きにカニのようになら、どうにか歩けることがわかりました。それも一歩の幅は広くとれません。大股になると腰に負担が大きく、痛みが増すからです。何かのコントのように小股で横向きに歩くしかありませんでした。
少し歩いて顔の向きでも痛みがあるとわかりました。進行方向を見ようとすると腰が痛いんです。顔も体も正面を向いたまま、横方向にカニ歩きという滑稽な姿でその日は出勤しました。
車に乗るにもひと苦労ありました。腰を屈めなければ座れないんです。どこかを掴んでも、その掴んだ支点に力が集中するので腰が引っこ抜けるかのように痛みます。片足で立つことも痛くてどうしようもありません。それでも我慢して車に乗り込み、会社に向かいました。
出勤するとすぐに上司に会い、カニ歩きでちょっとずつ歩いている私を見て「ぎっくり腰?」とすぐにわかってくれました。その日は会う人会う人に「ぎっくり腰?」「何があったの?」と色々聞かれました。年配の人ほど経験があるようで、状況を察してもらえました。
動かすと痛みが増すので、業務上免除してもらうものがありましたが、周囲のサポートでどうにか仕事に支障をきたすことはありませんでした。けれど一日中、本当に痛いんです。
ずっと痛いわけではなく、波がありました。波が引いている時は重い物を持っても平気なのですが、腰を曲げたり、背中を反ったりは基本的にずっと痛かったです。
痛みの波が来ている時は座っているだけでも痛くて、どうしたら楽に腰の重みを支えることができるのかに苦しみました。息をすることも痛みが出るので、深呼吸もできません。
だいたい30分置きごとに痛みの波が行ったり来たりしていました。早く仕事を終わらせて病院に行くつもりでしたが、あまりにも痛みが続き、とうとう早退することにしました。
病院での待合中に何度も強い痛みがやってきて、早く診察してほしいと祈る気持ちでした。やっと診察の順番が回ってきた時には「これで終わる」と安堵したくらいです。
診察室でベッドに仰向けになり、足や腰を押されたのですが、なぜかその時になって痛みの波が引いてしまい、具体的にどこがどう痛いのかを上手く説明することができませんでした。
レントゲン写真から骨折などはしていないとわかり、簡単なサポーター装着で治すことになりました。
背中側に硬い板のようなものが入った伸縮タイプの腰のサポーターを病院で購入し、寝ている時以外は基本的に付けて生活することになりました。このサポーターがあるだけで腰の痛みがすうっと消えて楽になりました。付けた直後から本当に痛くないんです。動きを制限されるので、屈んだり、背伸びしたりは難しいです。けれど、痛みなく息ができることが本当に嬉しかったです。
ただ、サポーターをした分、服が余裕のあるものでないと入りません。ウエストがゴムのようなフリーサイズの服でないと着れませんでした。会社に着ていく服には少々困りましたが、だいぶ融通を効かせてもらえたので、どうにか療養休暇を取ることなく過ごせました。
一週間ほどで痛みはなくなり、多少の違和感はあれどもサポーターを必要としなくなりました。病院でも特に異常が見つからなかったので、診察も終了となりました。
ぎっくり腰になったあの瞬間の痛みと、その日一日続いた痛みの波は人生で一番に痛い思い出でした。息をすることさえも痛い思いを体感しましたが、できればもう二度とあんな痛みを感じたくはないです。